第1725回
新しい商売のやり方は新しい人の手で

ファッション業者に言わせると、
上海のファッションは
東京のそれに4年ほど遅れているそうです。
ですから上海のメーカーが
現につくっている商品を仕入れてきても
東京では売れない、
だからこのままでは
商売にならないということです。
一口で言えば、
日本より遅れた国で現に売っている物で
そのまま日本へ持って帰って売れる商品は
一つもないということです。

考えて見れば当り前のことで、
一年に2千万人近くの人が
海外旅行に行っているのですから、
そのまま持って帰って商売になる商品が
あとからのこのこ出て行った自分の手元まで
ころがりこんで来るわけがありません。
しかし、それぞれの土地には
その土地にふさわしい
地政学的な特色があるのですから、
それをうまく利用して、
日本人の欲しがる物を
日本におけるより有利な条件で
生産することならできます。
ミヤンマーに行っても、タイに行っても、
ベトナムに行っても、
そういう商品を開発することは可能です。
それをあまり生活レベルの違わない土地の国でつくり出すことは
もっと簡単な筈です。

たとえば4年の差しかないとしたら、
そのくらいの差はすぐ埋まってしまいます。
通信も人の移動もこれだけ早ければ、
遅れていた方がすぐにも追いついてしまいます。
むしろ4年の差のあることがチャンスで、
人のやれない組合わせを考えて
東京と上海をつなげば、
安い商品を東京に提供することもできれば、
上海にまだない未来のファッションを
他に先立って売ることもできるからです。

たったこれだけのことですが、
実際にやるという段になると
その業界に従事してきた人間は
必らずのように尻込みをします。
したがってまだ一家を成していない駆け出しか、
隣りにいる人が手がけることになります。
そういうのを世代交替と言うんですが、
いまは東京と上海をつなぐ商売でさえも、
選手が変わらないと一歩も先へ進まない感じです。


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