第1721回
温州商人は中国人のお手本です

いま中国で不動産が動意を示している都市に行くと、
必ずのように
温州の商人が牛耳っているのですよ
といった説明を受けます。
海南島がそうでしたし、上海もそうでした。
海南島などは10年以上も鳴かず飛ばずで、
立ち腐れになっていた建物がこの1、2年、
不動産が値上がりをはじめると、
新しい持主の手に渡って工事が再開され、
そちこちに新発売の垂れ幕が下がっているのが
目につくようになり、町並も活気づいています。
「きっとここも温州商人の仕業だと言うだろうな」
と思っていたら、はたして観光バスのガイドさんが
予想通りの話をはじめたので、
思わず笑い出してしまったことがあります。

温州商人が目はしのきく切れ者であることは
温州の発展ぶりを見れば、すぐにわかります。
だからと言って温州商人なら
誰でも凄腕だということではないでしょう。
もちろん、その中には温州で成功して、
本拠地を上海に移し、上海で工場を建てたり、
不動産投資に力を入れている人もたくさんいます。
建設中に私がいいロケーションだと思って
マンションの1室を買った徐家匯の建物は
上海の景気が悪くなると、一頃、
買い手がつかず安値に放置されていましたが、
昨年になると空いた部屋が
温州商人で一杯になったという話が
耳に入ってくるようになりました。
本当にそうなのかどうかわかりませんが、
何でもかんでも温州商人のせいにするところを見ると、
これは温州商人がいまの中国の変化に敏感で、
その動向が中国の動いて行く方向を
代表しているということになります。

現に中国の最先端を行く上海ではいま
温州商人の話でもちっきりです。
特に不動産が値上がりする度に、
これも温州商人のせいだ、
あれも温州商人のせいだという噂を耳にします。
このことは温州商人が利にさといということよりは、
いまの中国の富は
温州商人が手がけてきたようなやり方から
生み出されるものだ
ということではないかと思います。
利にさとい中国人のお手本は
温州商人だと考えれば
中国人が何を目指しているかがよくわかります。


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