第1715回
省力は中国企業のテーマでもあります

第一次石油ショック、
続く第二次石油ショックのさなかで、
日本の企業が全智全能を傾けて努力したことは、
省エネと、もう一つは省力でした。
もう30年も前のことですが、
昭和40年代も終わりに近づく頃になると、
年中行事のように続いた賃上げ闘争で、
日本の賃金水準は工業生産に困難をきたすほど
高い水準に達していました。

と言って人手不足のなかで
賃金を抑え込むことはできないし、
賃上げ闘争をやめさせることもできなかったので、
企業の経営者たちは如何にして省力するかに
熱をあげるようになっていました。
省力とは人力でやっていたことを機械化するとか、
コンベアを使って能率をあげることですから
その必要に迫られた企業では
結果として世界中にさきがけて
オートメ化に成功することができました。
アメリカやヨーロッパの労働組合が
オートメ化に反対したのに対して、
日本では組合が企業別であったために、
他社との競争に打ち勝つために、
組合が率先して合理化に賛成したのです。

またオートメ化だけでなく、
カンバン方式に見られるように
生産工程や労働力の生産性を
改善することに力を入れたので、
無人の工場で機械だけを動かしたり、
在庫を減らすことによって
コスト面で成果をあげるようになりました。
私の知っている会社では
いままで100人でやっていた作業を
17人でやることに成功したところがあります。

日本の工業に対する世界の評価は、
石油ショック前よりも
石油ショックのあとの方がずっと高くなっています。
難題にぶっつかったら、
それで腰くだけになってしまうわけではなく、
うまく対処することができれば
一段と飛躍できることを
過去の日本は実績で示しているのです。

これから「資源の不足」が本格化するとすれば、
どんな対処の仕方をすればいいか、は
企業にとっても個人にとっても最大のテーマになります。
グローバル化の時代ですから、
トランス・ワールドの解決法が
要求されることになるでしょうが。


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