第1646回
ソバの革命はもうそこまできています
内モンゴルに行った時、
ソバの産地である武川県を訪れる積りで
スケジュールを建てたのですが、
どうしても時間がとれず、
やむを得ず、武川県のソバを
日本に輸出している会社の社長さんに
フフホト市で説明をしていただくことで
おしまいにしました。
私のように日本ソバの将来に執着を持つ人は
どうせそうはいないのですから、
それはそれでよかったのです。
ところが、
エルドス市と最近改名した
東勝市から包頭市に出ても、
小型機では私たちを
上海まで運んでくれる座席が確保できず、
やむを得ずまたフフホトに戻って
そこからとぶとなると
夕方の6時しか飛行機はないのです。
夜まで時間を潰す必要が生じて、
モンゴル相撲や乗馬などの
いわゆる内モンゴル体験をするために
大草原のある希拉穆仁草原というところまで行ったら、
何と行きと帰りに武川県を通ることになり、
何とソバと縁があるのだろうと
我ながら不思議な思いをしました。
ソバの産地と言っても
道の両側にソバの苗が植わっていて、
そのところどころに蜜蜂の箱がおいてあるだけです。
この前、若いソバの職人を連れてきて
手打ちソバをつくって
役所の人たちに試食してもらいましたが、
今後、中国で日本ソバの店をひらくことがあったとしても
食べる人は都会地の人だけに限られるでしょう。
でも私は日本ソバの産地は
国際的に拡がると見ていますし、
ソバとウドンの手打ちが限りなく手打ちに近い
機械打ちになると見ています。
またソバ粉に等級別のない内モンゴルで、
一級品、二級品、三級品といった
差別化が起るだろうとも見ています。
そういう変化を目指して日本人が
ソバの産地を開発する時代がいつか来るだろうし、
またソバのつくり方も変わるだろうと見ています。
私がそれを手がけるかどうかは別として、
それを手がける人が現われたら、
手つだってあげようと思っています。
私がやならなくとも
いつか誰かがそれをやるにきまっていますが。
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