第1504回
創作料理に熱意のある若い板前さんへ
日本の日本料理屋もまた
大きな曲り角に来ています。
名のある老舗は値段が高いのと、
お客が減ったのとで、
店が成り立たなくなっています。
大衆的な店は昼、
お客のある店は夜、お客が来ないし、
夜に力を入れる店は
お昼のお客を大事にしませんから、
夜だけの商売になってしまいます。
それも若い人だけを相手の
居酒屋風の店しか繁盛していません。
私も時代の流行に関心がありますので、
時々、いまハヤリの居酒屋に行きますが、
酒を飲んでくれなかったら
とても成り立たないようなレベルの料理ばかりですね。
その点、台湾の人は
(多分、中国大陸の人もそうですが)
大事なお客をもてなす宴会でない限り、
酒はほとんど飲みません。
料理がちゃんとしていなければ、
料理屋として成り立たないきびしさがあります。
それでもちゃんとお客が入って、
中高年層も若い人も集ってもらえるためには、
そうした人たちの好みにあわせる必要があります。
ただ昔と同じように料理をつくっていただけでは
間に合わなくなります。
最近見ていると、
フランス料理でもそうですが、
日本料理もグローバル化の時代にふさわしい
創意工夫が要求されています。
そういう要求に応じられるためには、
柔軟な頭を持っていることと、
そうした創意工夫を容れてやれる
環境におかれる必要があります。
台湾の人たちは日本人以外で恐らく
最大の日本料理の理解者ですから、
もし台湾で通用するようになれば、
中国大陸をはじめ、東南アジアでも、欧米でも
通用するようになるのではないでしょうか。
そういう意味でも、
将来、外国で自分の店を持ちたい人にとっては
またとない稽古場になる可能性があります。
経験はあまりなくとも、
研究熱心な若い板前さんで、
同じ若い日本人のマネージャと組んで
新しい日本料理屋を仕上げる意気込みのある人は
ハイQに連絡をして下さい。
連絡先がわかれば、台北のマネージャから
直接、お電話を差しあげると言ってきています。
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