第1489回
中高年向けのレストランは可能?
あとは新しい店にふさわしいメニューはどうするか、
サービスはどう変えるか、
そして、標準的な一人前の勘定は
どう決めるかにしぼられてきます。
日本料理屋といっても、
日本人は新しく日本から来た水商売は好きだが、
あまり経験のない青年と、
とんかつの勉強に1年間、行っていた青年の
2人しかいません。
日本料理の職人もすしの職人も、
日本料理屋に長くつとめていますが、
日本人でないのは
日本人だと日本並みの給料を要求し、
台湾の物価に合わせた売り上げしかない店では
払いきれないからです。
そういう台湾の職人たちの実力で
カバーのできるメニューということになると、
台湾のお客たちが比較的馴染んでいる日本料理で
あまり出来不出来が目立たない献立を組むことになります。
お客にそれを選ばせることもできれば、
時々、献立を変えることにもなります。
またサービスを変えると言っても、
同じ人が俄かに愛想よくなることも考えられないし、
お客がふえて新しくやとった人たちに
行き届いたサービスを期待することもできません。
結局は演出を変える方が
手っ取り早くてわかりやすいということになりますが、
台湾の人たちが日本料理について知っていることと言えば、
日本料理は容器が美しく、
料理の並べ方にも神経が行き届いているということです。
その分、皿を洗う手間が大へんなことになりますが、
それもサービスのうちということですから、
やむを得ないでしょう。
そして、最後はお値段ということになります。
昼食の値段の設定は簡単ですが、
夜は家族連れと中クラスの接待ということになりますと、
酒を飲んで1000元(1元は3.2円)どまりとして
最高の定食は700元、ふつうの定食は350元、
単品は300元以上、鍋物も定食か、
定食より少し安い値づけになります。
以上のような段取りで
新装オープンしたところ、
表の看板すら書き直さなかったのに、
毎日毎日、口コミでお客がふえて
とうとう倍の売り上げになってしまったのです。
お客の半分以上が白髪で、
店がやって行けるとは
思っても見なかったことですが・・・。
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