第1469回
製紙メーカーは中国では成長株です
出版物があたるかどうかは
出版元でさえ予想できません。
日本では1日に800冊も
新刊書が出ているそうですから、
大半の本は配本されても
縄もほどかれないまま
返本される運命にあるようです。
中国にもいずれそういう日が来るでしょうが、
いまは次々と新刊書が運び込まれていますから、
出版で儲かるかどうかはわかりませんが、
紙の需要だけは大へんな勢いで伸びています。
新聞もタブロイド版の小さな形のものがふえましたが、
いままで新聞なんか読まなかった人たちが
隅から隅まで丹念に読むようになったので、
新聞用紙の需要も急激に伸びています。
またコンピュータを使う人も
大へんな勢いで伸びていますから、
それが紙の消費量を増やしています。
しかし、そうした需要よりも
いま紙の消費を一番大きく、
且つ確実に伸ばしているのは
工業製品の包装と運送に使われているダンボール箱です。
中国の輸出はここのところ、
毎年30%くらいふえていますが、
輸出品の大半はダンボール箱で輸送されています。
国内で売られているものも、
輸出品に劣らずふえ続けていますが、
これらも大半はダンボール箱に詰めて運ばれています。
ちょっと想像しただけで、
経済の発展が紙の売上げに
どんな影響をあたえているか
おわかりいただけると思います。
ところが、中国の製紙メーカーは
まだスケールが小さく、
王子製紙とか日本ユニパックとか
大王製紙のような生産量を誇るメーカーは
一社もありません。
深B株に上場している山東省の晨鳴が
僅かにフル生産で追いまくられているだけで、
同社の業績の予想を見てもわかるように、
どの自動車株、
どの電機株に比べても遜色がありません。
王子製紙が中国進出を計画していますが、
投資資金が1000億円と言いますから、
どんな市場を見込んでいるか
その一端をうかがい知ることができます。
中国では製紙産業は
これからいよいよ本格化する
成長株の一つに数えてよいでしょうね。
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