第1468回
中国の四季報やる人いませんか
中国の出版業界が
空前のブームになっていることは
既に述べた通りです。
でもブームになっているのは何も
出版業界だけに限りません。
工業化によって国民所得が
年々大へんな勢いで伸びているので、
自動車もブームならマイホームもブームです。
ただ出版は小さな資本でできるので、
出版社としての許可を得るのはややこしいですが、
どこかの出版社の名義を借りれば、
すぐにも本になりますので、
イチかバチかの勝負に出る人があとを絶ちません。
やはり中国には読書人の文化があり、
その歴史も長いので、
ちょっとその分野に陽が当ると、
勝負に出る人がドッと集まってくるのです。
でも中華書局のように
全国的なチェーン店はありますが、
国営で動きは鈍いし、
全国に配本のできる取次ぎがありませんので、
折角新刊が出ても
隅々まで行き渡っていないようです。
私の本など海賊版も含めて
10冊とは言わず出版されていますが、
大きな書局にホンの一時期並んでも、
売り切れるとあとの補充もできていません。
それでも次から次へと新しい本が出廻って
デパートのようなスケールの大書店は
いつも人で賑わっています。
ということは
その中からベスト・セラーズが
現われることは間違いないし、
ロング・セラーズを出して
巨大化する出版社が現われることも間違いありません。
出版は水物と言われていますから、
誰が成功するかは予想が難しいですが、
もし私なら株式市場の成長と
投資人口の増大をあてこんで、
「四季報」「会社情報」の中国版をつくります。
いま中国で出版されている株式情報誌は
年に1回ていどしか発行されていないし、
内容もきわめて貧弱なものです。
台湾の四季報は私のところで出版していますが、
みんな年をとって
もう一ぺんはじめからやれと言っても、
その気力はないようです。
これも新しい人たちがやるべき仕事なんでしょう。
台湾の60倍、日本の10倍の人口がありますから、
安定した需要がある筈です。
それも年と共に増える需要です。
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