第1259回
スーパーの野菜売場も一変します
クーラーやヒーターは
室内の温度を調節するための装置ですが、
たったそれだけの目的で空調は
大産業になってしまいました。
豊かな社会になると、
温度の調節は生活にかかわる重大なテーマであり、
新しいビジネスを次々と生み出してきました。
いま中国では次々と新しい高速道路がつくられ、
年と共に自動車の交通量がふえています。
毎年、自動車の生産が100万台単位でふえる
カー・ブームの時代に入りましたから、
私は中国のカー・ブームにうまく乗りたい人は
高速道路の株をお買いなさいとすすめたことがあります。
そんなに昔のことでありませんが、
高速道路の株価は早くも倍になってしまいました。
私もその高速道路をよく走るようになりましたが、
車はふえても冷凍車は
まだそんなにたくさんは走っていません。
中国が豊かになれば、中国国内で販売する場合も、
外国へ輸出をする場合も、
冷凍して運送するチャンスがふえますから
運送業の分野だけ見ても
新しいビジネスのチャンスは
次々とふえる方向にあります。
冷凍車に積み込まれて
運搬される貨物の大半は食品ですが、
食品をどういう温度に保てば
どんなことが起るかということ1つにしても
まだまだ未開発の分野です。
スーパーの生鮮食品売場をのぞけば
すぐにわかることですが、
肉や魚は冷凍ケースで売られるのが常識になりました。
まだ冷凍ケース入りをしていない生鮮3品の1つは
野菜と果物ですが、
その野菜と果物も冷凍ケース入りをするものが
少しずつふえています。
せめて野菜くらい昨日取立ての物を
という願望には根強いものがありますが、
もし味に対する温度の調整が進歩して
両者に全く差がないようになったら、
スーパーの野菜売り場が
冷凍品に一変することが考えられます。
そういう目で見ていると、
スーパーの野菜売り場はあまり遠くない将来に
冷凍ケース中心に配置転換されることになるでしょう。
冷凍はできないと思われている茄子や胡瓜の類が
冷凍ケースの中に並ぶことが考えられます。
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