第1257回
瓢箪から駒という可能性もあります

少し前に私が
「稼動している現場をマレーシアまで見学に行こうじゃないか」
とお誘いした石油のオリを石油と砂に分離する装置は、
その後、私のアドバイスもあって、
遠いマレーシアでなく、
横浜の近くで1回目の実験をしました。
日本人によって日本が考案された装置なのに、
地元で受け入れられないのでは
外国人の信用を得るのは難しいだろうと
私にいちゃもんをつけられたからです。

実際に実験した作業のデーターは
間もなく私の手元に届くことになっていますが、
折角とりつけた設備をすぐに撤去したのは、
水蒸気を500度まで上げるために
ボイラーを石油タンクに近いところで焚くのが
敬遠されたからだときかされました。
万一ということもあるし、
防災上、許可を得るのも容易なことではなかったようです。
それでも実験をした記事が
日本工業新聞に大きく報導されていましたが、
温度を上げるためにボイラーを焚いているのを読んで
殺菌用の装置ではボイラーを使っていないことを
思わず連想してしまいました。
殺菌用に使う水蒸気は350度で足りますが、
高周波でその温度まであげています。
見ている前で500度まですぐに上がりましたし、
更に1000度まで上げることもできると、
開発に従事した技術者の人たちも私に説明していました。
念のためにもう一度確かめたら、
その通り間違いありませんという返事でした。

もしそうだとしたら、
石油のオリの分解装置に
そもそもボイラーを使おうと考えることが
既成概念にとらわれていることになります。
早速、両方の経営者と技術者を引き合わせましたが、
その時点から共同研究がはじまりました。
お互いに全く縁もゆかりもない業種間の出来事ですが、
温度の調節によって
全く新しいビジネスの分野がひらけるというところに
重要な接点があります。
はたしてどんな結末になるかまだ想像がつきませんが、
もし「瓢箪から駒」ということになったら、
両方とも応用範囲は広いので
夢はいよいよふくらみます。
ベンチャーに興味のある人は
これから起ることをどうぞお楽しみに。


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2003年8月19日(火)

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