第1254回
水蒸気でコーヒー豆の焙煎もできます

いま農産物の殺菌に臭化メチルが使用されています。
臭化メチル自体に毒があるので、
毒で毒を制する消毒法になっていますが、
欠陥が多すぎて2005年までに
使用禁止になることになっています。

もし高温水蒸気による殺菌が有効なら、
臭化メチルと入れ代わることが考えられます。
私が見せてもらった機械は2種類あって、
1つはソバの実とか大豆とか
小麦などの穀物を消毒するためにローラーを回転して
その中を通る穀物に
水蒸気を瞬間的にふりかける装置です。
もう1つはコンベアに野菜の類を載せて
水蒸気の中を瞬間的に走らせる装置です。

装置から噴き出す高温の水蒸気は、
目には見えません。
うっかりその中に手を入れたりしたら
大火傷をしてしまいます。
水蒸気だから吹きかけたら、
茶碗蒸しみたいに蒸しあがると思うかも知れませんが、
少々時間をかけると焙煎したのと同じく
焦げ目がついて水分がとんでしまいます。
だからコーヒー豆を入れると、
5分間くらいで焙煎されて
プンプンといい匂いを放ちながら出てきます。
毎朝、私はこの水蒸気で焙煎したコーヒーを飲んでいますが、
温度と時間の設定をすれば、
シロウトでもプロよりも
正確且つ安上がりに焙煎ができることがわかりました。
ドイツでつくられる何億円もする焙煎の専用機を向うにまわして
競争ができるかも知れないと
ひそかに夢をふくらませているところです。

一足とびにそこまで飛躍しなくとも、
穀物や果物や野菜の殺菌ができただけでも
応用の範囲はいくらでも考えられます。
但し何十億円もかけてつくった
臭化メチルの殺菌装置が使用禁止にならない限り、
いくら画期的な発明で
設備資金も少くてすみますと宣伝しても、
少くとも2005年までは全く相手にもされないでしょう。
しかし、フレオンガスが使用禁止になったら
電気冷蔵庫やクーラーの冷却装置が一変したように、
食品の消毒装置も一変することが考えられます。
とりあえずはソバの実の殺菌からはじまりますが、
その結果次第では面白い事業の展開になる可能性があります。


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2003年8月16日(土)

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