第1252回
ご面倒でも携帯電話はオフにして下さい

昔はところかまわず煙草を喫う人が多かったので、
煙草を喫われては困るところに
「禁煙席」と貼り紙がしてありました。
昨今は原則禁煙が普通になったので、
煙草喫みのために特定の場所に
「喫煙室」を設けるようになりました。
煙草喫みには気の毒ですが、
ところかまわず煙草の吸い殻を捨てる人がいなくなって
道がきれいになったのは大へん嬉しいことです。

代わりにところかまわず
電話をかける人がふえたのは困り物です。
歩きながら、電話をかけるのもはた迷惑ですが、
エレベーターの中でまで電話をかける人の気が知れません。
もっと無神経な人になると、
人に面会にきて応接間で話をしている最中に
携帯電話のベルが鳴って平気で電話に出る人もいます。
なかにはあわててオフにする人もいますが、
人を訪問したり、目上の人と一緒にいる時は
電話器は原則としてオフにしておくのが常識でしょうね。

私は香港のジョッキー・クラブの会員をしていますが、
ジョッキー・クラブのクラブハウスに入ると、
「ポータブル・テレフォンはオフにして下さい、
でなければメンバーの方をオフにしますか」
と注意書きがしてあります。
おかげでクラブハウスの中で
電話をかけている人は見かけませんし、
レストランやバーで食事や酒を飲んでいる人も
邪魔をされずにすんでいます。
ジョッキー・クラブはかつて
ロイヤル・ジョッキー・クラブと呼ばれていたように
香港のトップクラスの人々の社交の場でしたが、
香港が英国の手を離れてロイヤルの名が消えても、
他人に迷惑をかけないという伝統は
そのまま継承されているようです。

日本ではそういうことに無神経な人が多いので、
せめて私に会いにきた人が
話の途中で呼び出しをかけられないように
応接間のドアに、
「ご面倒でも携帯電話はオフにして下さい」
と書きたい衝動に駆られますが、
それではあまりに失礼でしょうか。
いいアイデアがあったら、
ぜひお教え願いたいと思っています。


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2003年8月14日(木)

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