第1242回
コーヒー園からコーヒー店まで仕事はいくらでも

いまベトナムでは商社の丸紅の指導で
コーヒー豆がかなり生産されるようになり、
日本にも輸入されるようになりました。
値段もかなりこなれているので、
南米のあたりのコーヒーの値段に影響するようになり、
ブラジルでは他の農産物に切りかえているコーヒー園も
多いときいています。
私もベトナム産を試してみましたが、
ブラジル産のように苦くはなく、
私たちの口には合いますので、
これからは恐らくベトナム産が
日本で幅をきかせることになるでしょう。

雲南省で同じことをやれば、
ベトナムと張り合うことになりますが、
中国の場合は一大消費人口が控えている上に、
自国産だと税金もかかりませんから、
国内では有利な展開ができます。
それを農民に委託栽培してもらって
原料を確保することができれば、
あとはちゃんとした選別をして
焙煎のできる状態まで現地で仕上げます。
選別はそんなに難しい仕事ではありませんが、
言われた通り蔭日向なくきちんと仕上げることは
日本人の最も得意とするところです。
ちょっとでも油断をすると、
手抜きでクレームをつけられて
大へんな損失を受けます。
私は台湾でそういう目にあわされたことが
何回もありますので、
日本人の青年が現地に行って教えられた通り監督しなければ
グレードの高い製品はできないと思っています。
現地に行ってコーヒー豆の
ABCからやる気のある青年はいませんかと呼びかけたのは、
少くともスタートする時点では
絶対にそうする必要があると信じているからです。

しかし、コーヒー豆の生産から
コーヒー・ハウスでコーヒーを飲ませたり、
各家庭の朝のテーブルで
コーヒーをたてたりする段階まで
さまざまな仕事があり、
それこそコーヒー豆が畑でできた時の
何十倍の値段になるのですから、
自分はどの段階の仕事をやりたいかは
人によって考え方が違うのは当然のことです。
私は一番最後のコーヒーをたててもらって
飲む役割が望ましいと思っていますが、
さて皆さんにはどの部分を受け持っていただけるでしょうか。


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2003年8月4日(月)

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