第1031回
香港で正月に落着くまで

東京に住むようになってから
20年くらいは正月と言えば、
お世話になった人のところへ
挨拶に行くものだと心得ておりました。
何日の何時頃に行くのがいいのか、
また手土産に何をもっていくのがいいのか、
色んなことに神経を使わなければなりませんでしたから
結構、気苦労の多いものだと思っていました。

ところが、挨拶廻りをしているうちに、
挨拶に行っていた先の人も年ですから、
年の順序に他界して
行く先が一つまた一つと減っていきます。
すると、接待に行く必要がなくなって
気が楽になるかというと、
今度はこちらがいつの間にか年をとって、
私の世話になったと言う人が
私のところへ挨拶に来るようになります。
年と共にその数も少しずつふえ続けます。

人の家に挨拶に行った頃は、
挨拶に行くのはわずらわしいことだと思っていましたが、
人に挨拶に来られるようになると、
挨拶に来られる方が
もっとずっとわずらわしいことがわかります。
挨拶に行く方はいつ行くか自分が決められますが、
挨拶に来られる方は
誰がいつ挨拶に見えるか見当もつきません。
元旦に来る人もあれば、
5日過ぎてから来る人もおります。
朝早く来る人もあれば、
真夜中になってから来る人もおります。
遅いからダメだと
折角来た人を追い返すこともできないし、
朝から晩まで来る人来る人につきあっておれば、
糖尿の気があるようになった人はもっと困ります。

というわけで、
正月は家にいないに限ると考える人が次第にふえ、
正月は温泉場でとか海外でと
家を留守にする人がふえました。
私ももう30年も前から、
正月は海外ですごすようになり、
バンコックで迎えたり、カイロで迎えたりとか、
さまざまな経験をしました。
それを香港で迎えるようになったのは、
もっとずっと後になってからですが、
香港だと日本のお餅でもおせちでも、またお屠蘇でも
スーパーやデパートの食品売場で手に入るからです。
異国で日本のお正月気分もまたいいものですよ。


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2003年1月5日(日)

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