第983回
銀行が繁華街の表通りから姿を消す日

銀行からお金が借りられなくなって
困っている人もたくさんおりますが、
もう銀行からお金なんか金輪際、
借りたくないと思っている人はもっとずっとたくさんおります。
銀行の衰亡に拍車を駆けるのは後者です。

お金を借りて下さいと頼みに来た時の銀行員の態度と
お金を返えせと言ってきた時の銀行員の態度が
手の裏をかえしたように違うのは仕方ないとしても、
資金の使途がはっきりしていて、担保があって、
万一、仕事がうまく行かなかった場合でも
返済の原資があっても、
融資を断わるいまの銀行の豹変ぶりを見たら、
「一体、銀行はどうなっているの?」
とききかえしたくなってしまいます。
銀行はもはやその社会的役割をはたしていないばかりでなく、
どうやってメシを食って行く積りなのかさえ
見当がつかなくなっています。

デフレという低気圧が停留して長期にわたって居坐るとなれば、
お金を借りて商売をやっても採算になりません。
だからお金を借りて仕事をする人がいなくなってしまいます。
「お金が借りられない」と言って不平をもらしている人は
さしあたりの金ぐりに困っている人たちですが、
お金が借りられないとわかってほかの方法で
やりくりのできた人はもうお金を借りなくなります。
やりくりのできない人は倒産して銀行に迷惑をかけますが、
そういう人たちもお金は借りなくなります。
どっちにしても、銀行からお金を借りる人が
ドンドン減ってしまうので、
銀行は無利息に近い形で預金者から預かったお金で
国債でも買って僅かな利ザヤを稼いで
息をつくより行かなくなるでしょう。
そんな銀行がどうやって
駅前の表通りに店を構えておられるのでしょうか。

午後3時をすぎるとさっさとシャッターを下ろして
繁華街の人通りの邪魔をしていた銀行が裏通りか、
ビルの地下に移る時代が来ようとしているのです。
預金をしに行くだけなのに
その預金が無事戻ってくるか心配させるだけの銀行なら
何も駅前になくとも充分間に合うでしょう。


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2002年11月18日(月)

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