第984回
生命の綱は自分で握ることにしましょう

頭の切り替えを要求されているのは
銀行の経営者だけではありません。
生命保険会社も軒並み大赤字で、
加入者に配当金を払うどころか、
預かったお金で投資した資産が大へんな目減りで、
立往生をしています。

銀行の場合は預金者から預かったお金を貸した先が
財産の目減りや事業不振で
返済ができなくなったためにピンチにおちいっていますが、
保険会社の場合は預かった資金のうち一部は
貸付けにまわして銀行と同じように不良債権化していますが、
大半の預かり金で不動産や株に投資していますから、
資産デフレで大幅に目減りした分を
そのままそっくり抱え込んでいます。
その惨状は不良銀行と不良企業と
一人二役をやっているようなものですから、
銀行よりももっと深刻だと思えば間違いはありません。

ですから銀行の不良債権が片づいたとしても、
そのうしろに生命保険会社が控えていますから、
生保のピンチが片づかない限り
金融業者のウミが出尽したことになりません。
それでも生保が小康を保っているのは、
保険金は本人が死なない限り、掛金も長期にわたって
返済しないですむ契約になっているからであって、
実はそれが長期にわたって累積して行くだけに
解決は難しいのです。

庶民のお金を集めて
「お金にお金を生ませることのできた」
これらの機関投資家はいま厚生年金や組合保険も含めて、
一様にピンチにおちいっています。
うっかりすると年金ももらえなくなるという
崖っぷちにまで来ています。
私は「将来、年金を掛ける人よりも年金をもらう人がふえたら、
年金がもらえない時が来る」と言って
40年前に厚生年金に加入しませんでした。
その代わり年金をあてにしなくとも
生きて行けるように背水の陣を引きましたが、
いまになって見ると、私の危惧していたことが
いよいよ現実味を帯びてきました。
その上、資産デフレの拍車がかかったら、
いよいよ生命の綱は人に預けておくわけには
行かなくなってきました。


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2002年11月19日(火)

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