第713回
よそ者の目を持ってよく旅行をすること

バンコクにサンデー・マーケットというのがあります。
ふだんは休んでいるのですが、
土曜、日曜になるとひらかれる市のことです。
バンコクの友人に案内されて見学に行きましたが、
骨董市をはじめ、日用雑貨や工芸品まで
何でも売っている賑やかな店が
ぎっしり詰めに並んでいました。

ここに行くと、タイでどんな物がつくられ、
どんな値段で売られているか、ほぼ見当がつきます。
しかし、ここに並んでいるものを、
いくら安くても、仕入れて自分の国に持ってかえって
商売することはできません。
日用品はそのままでは使えないし、珍しい物があっても
日本人の好みにあうものは少ないからです。

足を棒にして歩いていて、ひとつひとつ手に取って見ても、
もしここで国際格差を利用して商売をしようと思ったら、
この国の特産物を加工するか、
この国の人たちの労働力をうまく利用するか、
この国の文化とか伝統とかをうまく活用するか、
要するにこの国のはまり役ともいうべき
新しい工夫をする以外に商売になる仕事はありません。

タイは果物の豊富なところです。
チーク材もあります。
鶏肉を加工して串にさして大量に日本に輸出しています。
タイの陶器、漆器、少数民族の織物、
みな特徴がありますが、
そのままではいずれも商売になりません。
自分らが遊びに来て楽しむことと、
自分らが楽しんだことをそのまま持って帰って
商売にすることとはまた別のことです。
誰でも考えつくようなことは、大体、
みな誰かがやっていると考えたらまず間違いありません。

それでもまだやれる仕事があるのです。
日本から持って来たらできる仕事、
ここから日本へ持って行ったらできる仕事、
要するにグローバル化がすすむ過程で、
その国際的な格差をうまく埋めて行くことのできる仕事を
考えればよいのです。
そういう仕事を探し出すためには
よそ者の目を持っていなければなりません。
そしてそのためにはよく旅行することが必要です。


←前回記事へ

2002年2月21日(木)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ