第322回
企画とデザインは本部の仕事です

IT関連のニュー・エコノミーなら、
日進月歩する技術が大きく物を言うことがあるでしょう。
新しい技術が出現すると、莫大な投資をした既存の設備が
スクラップの山と化することだってあります。

しかし、長い歳月をかけて淘汰をくりかえし、
辛うじて生き残ったオールド・エコノミーの分野は、
大して変わり映えがしない代わりに、
そう簡単にお払い箱になることもありません。
食品加工やレストランから洋服屋に至るまで
古くからある商売はそれなりに時代の淘汰を受け、
ハヤリスタリはありますが、
商売の要諦は先ず人の心をつかむことからはじまります。

たとえばファッション・ビジネスは
流行と名がついているくらいですから、
波に乗ればたちまち成金の仲間入りをしますが、
波がひくと跡形もなくなってしまいます。
ですから人に気に入れられることが大切であり、
そのためには
一に企画、二にデザインということになります。
むろん、誰がデザインすれば顧客に気に入られ、
またどんなところで生産すれば、
コストが安くてすむかということも重要です。
この2つをうまく噛み合わせることに成功すれば、
たちまち世界的な有名ブランドに
のしあがることだってできます。

しかし、一番肝心なのは
何と言っても企画とデザインでしょう。
グッチは一頃、人気を失って斜陽化していましたが、
最近すっかり人気をとり戻したのは、
企画を変え、デザインを一新したからです。
それを思えば、コストダウンのために
生産基地を上海や広州に持って行くことはあっても、
企画とデザインの司令部まで
引越しということにはなりません。

このことはユニクロの秘密について述べた時にも
ふれましたが、
何もファッション・ビジネスだけに
通用することではありません。
音響機器、家電製品、陶磁器など
すべての消費製品について言えることです。
グローバル化とは手足は海外に出て行っても、
頭は日本に残っているということです。


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2001年1月26日(金)

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