第320回
日本企業の人事の失敗その2

日本企業がおかした人事上のもう一つの大きな失敗は
女性を幹部として登用することを拒否したことです。
男が働きに出て、女は家にいて
家事と育児を受け持つという男女分業は
日本の長い間の伝統だったので、
戦後、日本が高度成長に突入してからも、
企業や公共の組織は男が支配していました。
アメリカ軍に占領されたあとは、
さすがに男女平等が建前になり、
東大などの一流大学も女性禁制を解除しました。

でも女性の東大出を採用する企業は少なかったし、
話のわかる会社でも立派な学歴のある女性を
男と同じスピードで出世させることは
先ずありませんでした。
女性は昇進が遅れたばかりでなく、
待遇の面でも差別されましたから、
女性が男性の上に立つことは
例外的なことでしかありませんでした。
その点、中国でさえも、
男と女を職場で平等に扱いましたから、
女性の政治家や官僚も多く、
ヨーロッパやインドやスリランカやパキスタンでは
女性の大統領や首相が輩出しています。

経営や執務の能力で男性をしのぐ女性は
いくらでもおります。
私の台湾や香港のオフィスでも働いているのは
ほとんど女性になってしまいました。
女性は妙な野心は持たず、
分相応のポジションを守るので、
腰を落着けて働いてくれます。
それが職場を安定させている商いも多いようです。

ひとり日本だけが男性社会丸出しの
男性エゴにこだわり続けたので、
女性の職場進出が遅れただけでなく、
企業の幹部も男性一辺倒になってしまいました。
女性はいまもお茶汲み中心で、
能力が充分に発揮されておりません。
もしかして昨今の、日本経済が他国に比べて
落伍気味なのも、戦力が男性だけということに
影響されているのかも知れません。
そういう男性社会に不満な日本の女性は、
日本を捨てて外国に進出しています。
もしかして日本の女性は男性よりも
勇気があるのでしょうか。
仕事を求めて一人で外国に出かける女性は
皆さんが考えているよりずっと多いのですから。


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2001年1月24日(水)

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