第314回
煙草がやめられたら何でもやめられる

煙草飲みで禁煙のための空しい努力をしたことのない人は
1人もいないでしょう。
「煙草はやめられる」とか、
「私はどうして煙草をやめたか」といった本が
よく売れるくらいだから、
煙草を飲む習慣はなかなかやめられないものです。

「煙草を持って歩かなければよい」と
煙草飲みは誰でも考えます。
ポケットの中に煙草がなければガマンをするよりほかないし、
人に頼んで1本もらうにしても限界があります。
すると、物理的に喫煙のチャンスが減りますから、
全面禁煙は無理としても、自然に節煙にはなるだろうと
自分に都合のよい言い訳をしてしまいます。

ところが、煙草飲みは意地きたないところがありますから、
節煙なんてできっこありません。
1週間から2週間続いたところで、
そういつも人に煙草をせびってなんかおられんと言って
結局は元に戻ってしまいます。
もし本格的に決心をして煙草をやめようと思えば、
そんな姑息な方法では
とても目的を達することはできません。

私の場合は禁煙するには
自分の意志でやる以外に方法はないと決心して、
自分のポケットに煙草とライターを持って歩きました。
吸いたい時はいつでも吸える状態にしておいて、
ジッとガマンを続けたのです。
煙草をやめると、肥るぞと警告を受けましたが、
その覚悟もして禁煙に踏み切りました。

断煙の苦しみに耐えて1ヶ月がすぎました。
私が禁煙に成功したのを見ると、
私の持っていたダンヒルのライターや
同じダンヒル製のパイプは
愛煙家の友人たちから盛んに狙われました。
当時はジッポのライターだって
貴重品扱いを受けていましたから、
私のような本場仕込みの小道具を持った人は
珍しかったのです。

以来、私は喫煙の習慣から脱して今日に至っています。
喫煙の習慣がやめられたら、
どんな習慣だって改められると言われています。
仕事を変えたり、住む国を変えたりするくらいのこと、
大したことではありません。
先ず習慣を変える習慣を身につけることから
はじめましょう。


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2001年1月18日(木)

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