第308回
仕事をつくり出す習慣を身につけよう
人に言われたことをうまくやるのと、
自分でやることを見つけてやるのとでは、違います。
宮仕えとは人に言われたことを大過なくやることです。
サラリーマンに要求されている資質は
上司から言われたことを要領よくやることです。
要領よくというのは、
上司にも同僚にも憎まれないように上手にやることです。
俗に「遅れず、休まず、働かず」と言われますが、
仕事をやりすぎると却って会社で人からうとまれます。
しかし、要領ばかりよくなって
自分から仕事をつくって行く習慣が身につかなくなると、
サラリーマンとしては出世できるかも知れませんが、
仕事をする人間としては役に立たなくなってしまいます。
仕事のできる人は自分で仕事を見つけ出して来て、
自分でそれを片づけて行くことのできる人です。
それは要領というよりは習慣です。
最初から自分のやる仕事を
自分で見つけられる人はおりません。
最初は人からあたえられた宿題であっても、
こうすればよいと教えてくれる先輩があれば、
なるほどと自分で工夫することが
できるようになるものです。
同じ1つのことでも、
1つのやり方しかないわけではありません。
タテにしたり、ヨコにしたり、サカサにしているうちに
新しい着想に辿りつくものなのです。
もし自分で仕事をつくり出すことができなかったら、
言われたことをやってしまえばそれでおしまいですが、
自分で仕事を見出してきて、
それをこなせるようになったら、
いくつになっても仕事に困ることはありません。
どんな世の中になっても仕事に困ることもありません。
若い時にそういう習慣を身につけておくことです。
上司や同僚には目立たないように、
しかし、自分ではそれを習い性にしておけば、
自分が創業者になれるし、少なくとも創業者には
すぐにも認められます。
そういう人は残念ながらそんなにたくさんいませんが。
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