第152回
産業界はご一新の時代ですね
産業界に大きな転換期が来たと言いましたが、
それはメーカーの時代が終ったからです。
メーカーの時代が終ったと言っても、
物づくりがなくなったということではありません。
工業製品は自動車でも、
テレビや電気冷蔵庫でも
私たちの日用品になってしまい、
それがなくては
一日も生活ができないようになりました。
その代わり大量生産ができるようになって、
社会が必要とするだけ
いつでも間に合わせることができます。
というよりありあまるほどできるようになったので、
うまくコントロールができないと、
損をするようになったのです。
メーカーも損にさらされるようになったのですから、
製品を販売する流通業界も
同じような目にあわされます。
かつては大へんな勢いで成長してきた
デパートやスーパーも前期比減収減益が
当たり前になってしまったし、
同じような商品をもっと安く売る
ユニクロやマツモトキヨシや
100円ストアのダイソーなどに
お客をとられています。
メーカーとしても、
またデパートやスーパーにしても、
こうした苦境を打破するために、
もっと安く売るために
コストを安くする工夫をするか、
いままでになかったもので
人々の欲しがる新商品を
つくる出すよりほかありません。
そうした努力が実を結ぶ会社と
そうした努力をしないまま
業績の悪化する会社とでは
いつの間にか大きな差ができてしまい、
それらの会社で働いている人たちにも
明暗のひらきができてしまいます。
最悪の場合は会社が倒産して、
長銀や日債銀やナガサキヤや
そごうのようなことになってしまいますが、
メーカーの倒産が少ないのは
投機性が少ないのと、一定の需要があって
ジリ貧になることはあっても
急変することが少ないからでしょう。
その代わり少しずつ首を締められて
そのうちに息がつけなくなる業者も多いので、
気がつかないうちに姿を消してしまう
下請企業がたくさんあります。
産業界はご一新の時代ですね。
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