第151回
古い経験はあまり役に立ちません

産業界で選手交替の起るときは
お金の流れが変わりますから
お金を持っている人が一番影響を受けますが、
あまり大金と関係のない人でも
それなりにその影響を受けます。

半世紀前に比べると、ほとんどの人が
中流意識を持つようになったくらいですから、
みんなが小金持ちになりました。
デパートも不動産会社も
小金持ちを相手の商売をやるようになり、
マンションを建てる場合でも
マイホームを欲しがる
中産階級を対象にした計画をたてます。
景気がよくなって物価の上がる時は
マンションの値段だって値上がりします。

そういう時は、いま買わないと
もっと値上がりするかも知れないと心配になって
とびつき買いをしますから、
結果的に見ると高値をつかまされたことになりがちです。
私は株でもマンションでも
高値をつかまされることには警戒心が働きますから、
滅多に高値で買うことはありませんが、
それでも一山こえてみると、
そう安値でもなかったなあと
反省することがままあります。

ましてや値のはる物を
買い馴れていないサラリーマンだと、
あのバブルのさなかでは、
億ションと呼ばれる高級マンションを住宅ローン付きで
買わされた人は少なくはないでしょう。
いまになってみると、
半値以下というのも珍しくありませんから、
時価で売っ払うと頭金が吹っとんでしまうだけでなく、
借金だけが手元に残る勘定になってしまいます。
何の罪もない人が借金だけを背負わされたのでは
どう考えても割りに合わない話です。

でもそういう爪跡を遺して、
経済はいままでとは違う方向に動きつつあります。
どうしたらいいでしょうかときかれても、
お気の毒さまでしたというしか方法はありません。
一度ひどい目にあった人が
同じ失敗を二度とくりかえさないことだけは確かです。
でも同じことが一生の間に
2回起りそうもありませんから、
経験はあまり役に立ちません。
新しく起ってくることに対処する自分が
正しいかどうかを確かめることの方が大切です。
   


←前回記事へ 2000年8月8日(火) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ