第58回
店頭市場は昔も今も宝の山

私が新しいビジネスに注目するようになったのは、
私が株式投資に興味を持った時からです。
もう40年も前のことです。

既に大企業になってしまった会社でも、
同じことだけをくりかえしていたら、
新しいビジネスをひっさげて現われた
小さな会社に追い越されてしまいます。
もし日立や東芝が重電だけに固執して、
家電の分野に進出しなかったり、
半導体やコンピュータを手がけなかったとしたら、
恐らく今日の日立や東芝はなかったでしょう。

キャノンやリコーだって、
もし複写機やコンピュータの周辺機器に進出せず、
昔のままのカメラ・メーカーだったとしたら、
恐らくいまは産業界でも影の薄い、
忘れられた存在になっていたことでしょう。
大きな会社だって次から次へと消費者から受け入れられる
新商品を開発しなければ生き残ってはいけないのです。
株をやる人はいつもどこの会社が
どんな新製品を開発しているかに気をつけています。
新商品が会社の業績に寄与すれば株価が上がるからです。

といういうことはうまくヒットする新製品を開発すれば、
小さな会社でも大きな会社に成長できるということです。
殊に高度成長期にはそういう会社がたくさん出てきます。
私が成長株を取り上げて株式評論をはじめた頃は
ソニーと本田技研が成長株の代表として
既に皆に知られていました。

既に皆に知られた成長株でも、なお成長が続けば
成長株であることに変わりはありませんが、
私に言わせると、掘出物ではなくなっています。
一流骨董店のショーウインドに陳列された骨董品が
安く手に入らないようなものです。
お金のたくさんある人は
そういう一流品を買ってもいいでしょうが、
お金のない人はどうしたってまだ埃りをかぶったなかから、
宝物を掘り出すことを考えます。
そういう未来の横綱になる大器は
まだ駆け出しの小さな会社ですから、
青空株と呼ばれた店頭株の中にたくさんありました。
その点ではいまも40年前も何の変わりもありません。





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