第59回
大損をする覚悟ができているのなら
成長株と呼ばれる出世株はいつの時代でもあります。
まだ小さな会社ですから、
第2部とか店頭株の中にあることは
昔も今も変わりありません。
しかし、40年前といまと違っていることがあります。
私が成長株を投資の対象としてとりあげた頃は
成長株の存在に気づいていた人が
ほとんどなかったのに対して、
いまは株をやる人で成長株のことを知らない人は
ほとんどいないということです。
つまりみなが成長株探しをしているので、
ちょっとでも成長株らしい株が出てくると、
たちまち買い漁りの対象になって
高い株価がつくということです。
私たちから見て大した業績をあげているわけでもないのに
額面50円の株に3000円とか、
5000円の株価がついているのが珍しくありません。
もちろん、なかには1株当り100円とか、
それ以上もの利益をあげているものもあります。
でもそれは資本金がまだ小さいからできることであって、
たとえば資本金5億円が50億円になっても
なお高い利益をあげ続けることができる企業は
そんなに多くはありません。
なかにはまだ業績らしい業績もあげていないのに、
通信とか情報の分野の仕事に従事しているというだけで
びっくりするような株価まで
買いあげられているものもあります。
資金の投資先が少なくなって、
株式市場に集中するので、株式市場が
ますます投機化していることを示すものでしょう。
やっている人もそれがバクチであることを
知っていますから、一歩間違えたら
大損する覚悟はできているとは思いますが、
成長株の特長は当たれば大きいが、
失敗する確率がかなり高いということです。
たとえ経営のきちんとした会社でも、
第二市場や店頭市場の株は毎日の出来高が少ないので、
相場の風向きが変わって売り気配になったときは
買い手がないまま
連日ストップ安になることがよくあります。
それだけの覚悟ができておれば
これは面白い世界であることは間違いありませんね。
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