お金の貯まる人はここが違う

お金との"付き合い方"指南

第40回
貯金をつづけるだけでは、 なかなかお金はふえない

貯金をするだけなら、 誰にでもできます。
倹約の精神さえ貫けばいいわけで、
ほとんど知恵を絞る必要はありません。
知恵を絞るといっても、どこへ預ければ利息がごくわずか高いとか、
そのくらいのことでしょう。
その程度のことは、一時間も人に話を聞いたら、
たちどころにわかってしまいます。
子どもだって、同じ貯金をするなら定期のほうがトクだということを知っています。

しかし、タダの定期預金ではどこに預けようと金利は決まっているわけですから、
タカが知れています。
ふえないことはないにしても、ただ貯金をつづけているだけでは、
なかなか金持ちになるチャンスは生まれてきません。
お金をふやそうと思ったら、やっぱり知恵が必要なんです。
最近は、炭を使わなくなりましたが、炭火をおこすときには、
タネ炭というのを使います。
貯金は、このタネ炭みたいなものと考えてよいでしょう。
それを元手に大きな炭火をおこすわけです。

といって、やたら炭を重ねただけでは、
炭火はすぐ消えてしまいます。
タネ炭から火をおこすには、それ相応の工夫が要求されるんです。
お金をふやすのも同じで、知恵を働かせなければなりません。
そのもっとも手近な方法が株式投資です。
私は、「百万円貯まったら株式投資を考えてみるといい」とすすめています。

株を始めるためのこまかい注意点については、
『邱永漢の株入門』(光文社知恵の森文庫『株の原則』)で
くわしくお話ししましたので、
そちらをお読みいただくとして、ここで私が強調したいのは、
株式投資は、お金を貯めることとは、
まったく異質のものだという点です。
世の中には、株も貯金の一種だと考えている人もけっこういるようですが、
これは間違いです。

次回に続く





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2015年11月9日(月)

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