お金の貯まる人はここが違う

お金との"付き合い方"指南

第35回
なぜ、中国人のほうが日本人よりお金が貯まるか

将来に不安を感じて貯蓄するということでは、
中国人のほうが日本人よりもはるかに真剣です。
私の知ってる台湾の人で、ロサンゼルスで銀行をやっている人がいますが、
アメリカの銀行はドラッグストアみたいなもので、
資本金四百万ドルもあれば割合い簡単にできます。

その人が、中国人の多い
モントレーパークというところに支店を出したんですが、
一年たったら黒字になった。それを聞いて、
近所にあるアメリカ人の銀行の支店長が
「私のところは何年やっても赤字なのに、
あなたのところは、どうしてそんなに早く黒字になったんですか」
とききにきた。

こっちの支店長は笑って、
「私たちは、百円稼いだら五十円貯金する人たちがお客さんなんですよ。
あなたたちは、百円稼いだら百二十円使う人たちが相手でしょう」
もちろん、百円稼いで五十円貯金するというのは中国人のことで、
その反対はアメリカ人です。
実際、アメリカ人はすぐローンでものを買うから、
いつも月賦に追いまくられて、預金どころじゃありません。
中国人のほうは、中華料理屋のおやじも、
コックも、皿洗いもウエイターも、みんな貯金には熱心です。

その点では、日本人もとても中国人にかないません。
中国は国が分かれていますし、置かれている環境は、
日本人より中国人のほうが比較にならないほど悪いんです。
だいたい、中国人は政府というものをあまり信頼していません。
国が背景になって海外に進出するようなことはないし、
またそれを、ぜんぜん期待もしていない。
自分を守るのは自分しかないと思っていますから、
どうしてもお金に執着するようになるんです。

台湾の人たちを見ても、そのことはよくわかります。
会社に勤めていても、会社が一生、保護してくれる保証はありません。
いつ、明日からこなくていい、と言われるかわからない。
外国で生活していれば、なおさら誰にも頼れませんから、
将来に備えて、できるだけお金を貯めようとするんです。

そうなると、頼りになるのは、家族くらいでしょう。
中国人の社会は家族が防波堤になっているんです。
必然的に、親族の助け合い精神も強くなります。
日本人の場合は、政府や国家よりも、企業が防波堤になってくれる。
日本人ほど、自分の勤めている会社を
信頼している国民はいないんじゃないですか。





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2015年10月28日(水)

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