第304回
起業3年、5千億円で売れた
スケールの大きな話ですが、
ITの分野は夢を大きく描いても夢に終らないのです。
新しい時代です。
2人の若者がKaZaaという
音楽や映画を無料でダウン・ロードできるソフトを開発しました。
これは音楽団体から訴えられて、オランダでは最高裁までいって、
最近になって、やっと合法との判決をもらっています。
「個人の違法行為はともかく、
ソフトウェアプロバイダーの権利は奪えない」
ということらしいです。
そういう面倒なことがあったわけですが、
2人はそこで力を落さないところがたいしたものです。
29歳と39歳になったデンマークとスウェーデン人は、
3年前にスカイプ(Skype)という会社を再び起業しました。
すでにご存知の方も多いと思いますが、
インターネットで無料の電話が掛けられる会社です。
また無料で便宜をはかる会社を起こしたのですね。
PCから普通の電話にも安い料金で掛けられます。
5千3百5十万人が、
無料でネットからネットへの通話サービスに
登録されているそうです。
そのうち2百万人は、
ネットから普通の電話にかけるサービスも利用しているそうです。
この会社が、
世界最大のインターネットオークション会社eBayに買われることが
9月12日に発表になりました。
3千億円あまりが現金とeBay社の株で支払われます。
Skypeが2009年までに発展してゆけば、
残りの2千億円ほどが追加されます。
2人の創業者は各々6百億円を手にして、
3年半後にはさらに4百億円が期待できます。
残り40%はSkypeに投資してくれた株主のものになります。
ベンチャー企業への投資は、
時にはこのようなリターンが期待できるのですね。
Skypeの最初の資本は40億円で、
200人の従業員を使ってルクセンブルグとロンドンで始めました。
デンマークでは自分の起業した会社に
センチメンタル・バリューはあまりないようです。
規模は色々ですが、これに似た話はよくあります。
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