前川正博さんはこうして
福祉の国で、国にたよらずに根をおろしました

第302回
牛肉グルメ

3年間の海外派遣期間を終えて帰国することになった、
日本人一家がいました。
一家のうちの、補習校に来ていた中学生の女の子が、
この頃牛肉ばかり食べさせられる、とこぼしていました。
「お母さん、
”日本に帰ったら、もう食べられなくなるんだからね!”
って言うのよ」
と、あきれたような、うんざりしたような表情でした。
お父さんの収入はその職分からいって、かなり多いはずです。
しかし堅実なお母さんは、
日本で高い牛肉を買う時のことを考えると心が痛んだようです。

日本で食べる牛肉といっても、
大変美味しいものと、それほどでもないものがあります。
今は亡くなった辻静雄さんが、
高名なフランス人シェフが日本に来た時に対談している記事が
週刊誌にありました。
辻さんが「日本の肉はどうですか?」と、尋ねると
シェフは軽く笑いながら「柔らか過ぎて・・・」と、
いなしていました。
辻さんは自慢したかったようでしたが、
そのフランス人は、歯ごたえがあって、
旨味がにじみ出るような肉が好きだそうです。
負け惜しみでもないようです。
野菜の火の入れ方など、日本を参考にしているといいますが、
材料は総て、慣れたフランスのものが良いようです。

フランス人、ムリエルのお母さんは、
デンマークに遊びに来る時は、食材の類一切合財を持ってきます。
「まるでデンマークに食べ物がないとでも思っているようです」
と娘のムリエルがあきれていました。
お母さんはグルメで料理自慢なのです。

同じグルメでも、お姉さんのご主人は若くて好奇心が旺盛で、
デンマークに来るとスーパーに行くのを楽しみにしています。
それでカレー味ドレッシングに漬けたニシンとか、
デーニッシュ・ペーストリーとか、特殊なヨーグルトとか、
色々自分の好きなものを発見して喜んでいます。
グルメはグルマン(大食い)という言葉があるように、
デンマーク人から見たら小さな身体なのに大変たくさん食べます。
もちろん料理も得意で大変上手だそうです。


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2005年9月26日(月)

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