前川正博さんはこうして
福祉の国で、国にたよらずに根をおろしました

第298回
なぜ日本の子供は荒れるか

デンマークに住む二世は、
問題児と優等生と、両極端に分かれていると言えると思います。

回教徒の二世も、東洋人二世も、家庭という緩衝地帯をはさんで、
2つの文化の合間で葛藤があることでは同じです。
それなのに一方は多くの犯罪者集団がうまれ、
一方は優等生になる程の差は何から生まれるのでしょうか。
道徳や宗教の差なのか、家庭の差でしょうか。
とは言っても、回教徒の若者も常識ある人の方が普通なのです。
しかし、比較すると無法者の出現する数が非常に多い、
ということです。

教育は予測の難しいところがありますが、
東洋人の多くは親の世代が
デンマークの良いところに一目置いています。
話をしていると
「デンマーク人は馬鹿だなあ」などと言っている人でも、
何かでデンマークを認めていることが分ります。
豊かなこと、上役が威圧的でないこと、
困っていると助けてくれる人が現れること、何でもいいのです。

犯罪者の若者を出す回教徒の家庭は、母親がデンマーク語を話せず、
デンマーク人と接触のない場合が多いようです。
女性は自由に外へ出れないので、
自分の子供が何をしているかも良く知らないのです。

一方、回教徒はデンマーク語も出来ない神職者が権威を持ち、
西洋文明を堕落したものとして絶えず否定しています。
「デンマーク人のようになるな、
デンマーク人と付き合うな(特に女性)
神だけを恐れ、何者も(警察も)恐れるな。」
と、叫んでいるそうです。
この差かもしれません。
教育者が二世の住む社会を軽蔑しているのです。
一世の就いている仕事も、生活態度も弾劾されています。

日本に住む子供が荒れるのも、
私は、親が教師がマスコミが
日本の社会を尊敬をしていないことの反映かと思いっています。
デンマークの回教徒を参考にできるなら、
日本に住む子供が荒れてきた原因を
少しはとり除けるかもしれません。
日本でも、マスコミを中心として、
日本を「ダメ」と決め付けるパターンが優勢のように見えます。
それならば、私達自身が、
日本の尊敬できる点を若い世代に知らせることは、
大事なことになります。

問題意識を持つことは非常に大事ですが、
「問題があるから日本は良くない」と、
言われ続けるのはいけないようです。
私は自分が若かった時代を省みてもそう感じます。


←前回記事へ

2005年9月6日(火)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ