第278回
悪い天気が飯の種
デンマークの天気は、
夏以外は天気の悪い日が続くので予報は簡単そうにみえます。
「曇り時々雨」と言っておけば必ず当たる時期もあったり、
「雨と、曇りと、晴れ」の時期も長いように感じます。
こんな天気ですが、
これが「非常に良い環境」という植物もあるのです。
デンマークで初めての冬が近づいた頃、
原付2輪車で林檎畑に通勤していて、おかしなことに気づきました。
道端にいつまでもタンポポが咲いていることです。
それと、芝生が冬でも青いことです。
最近は日本にも、
この季節感の無いタンポポが入り込んいるそうですが、
その頃はそういうものがあるとは知りませんでした。
両方とも日本とは違う種類だそうで、
これ等は寒くなっても結構元気なのでした。
特に芝生は丈夫で、冬は成長が止まって芝刈りの手間が省けますが、
いつまでも緑色が消えないのです。
最近知りましたが、この芝生という植物が、
デンマークの不順な気候を、
世界のどの地方よりも好んでいるのです。
「デンマークの芝生が一番緑」ということらしくて、
芝生の種を年に300億円輸出しているそうです。
芝生の種は少しのお金でたくさん買えます。
それで、現在は世界の芝生の5分の1が、
デンマークの種からつくられているということです。
芝生は主にゴルフ場やサッカー場に使われてきました。
ところが、東欧では色々な所で芝生が植えられているそうです。
西欧のライフスタイルに憧れていて、
その簡単な実現が芝生なのだそうです。
安上がりな”西洋風化”ということで、
デンマークの種の東ヨーロッパへ輸出が伸びているそうです。
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