前川正博さんはこうして
福祉の国で、国にたよらずに根をおろしました

第277回
デンマークの銭湯

フィヨルドの、
余りに整った静止画像のような景色を初めて目にした時、
何かに似ているような気がしました。
フィヨルドの濃緑色の水と、青い空と白雲、氷を頂いた山、
そのどれもに動きがないのでした。
それは、東京は中野、江古田町の銭湯。
鶴亀に松に白砂、向こうに富士、の
ペンキ絵に感じが似ているのでした。

デンマークのプールは昔は銭湯を兼ねていました。
今でもシャワーの無いアパートがあって、
風呂をかねてプールに行く人がいます。
古いプールのある施設には、
バスタブが一回いくらで借りられるところもあります。
冷えた身体を100℃に近い無料のサウナで暖めて汗を出し、
帰りに冷たいビールを飲むことも出来ます。

歯に金属を入れている人は熱いので、
口を押さえながらサウナにはいっています。
私の友人は眼鏡をあつらえて、
そのまま張り切ってサウナに入ったそうです。
すると両方の新品のレンズが「コッキーン」と
タイルの床に落ちたそうです。
レンズが落ちなくても、金属の眼鏡は熱くて我慢できません。

私がプールで見た時は回教徒やインド人は、
水泳用のパンツを穿いたままシャワーで身体を洗っていました。
ガンジス河やヨルダン川の図の通りです。
サウナに入る時もパンツを脱がないので、
先に入っている人に追い出されていました。
プールは塩素がきついのですが、
パンツに付いた塩素が蒸発して
肺に入るのがいけないということです。


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2005年8月8日(月)

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