前川正博さんはこうして
福祉の国で、国にたよらずに根をおろしました

第262回
変人国日本

「何で言わないの!」
私が入院生活をしていた時、
広い待合室でテレビドラマを覗き見していた看護婦さんが、
あきれたはてた様な声をあげました。
嫌なことがあるのに、
男役の人が女性に言わずにいる場面だったようです。
「なんで言わないの」と、はよく聞く言葉です。
オープンマインドのイメージのデンマーク人でも、
当然言い難いことはいくらでもあります。
しかし「言わないことは考慮できない」
又は「考慮しなくてよい」
こんな感じもあるようですから、言わないと始まりません。

「正しければ黙っていてもいつかは分る」という人がいますが、
独りよがりで正しくなかったらどういうことになりますか?
話してみて、相手の反論をもらって、
そこで初めて、自分が間違っていることを知らされることは
多いと思います。

私は変人は好きです。
というか、変人と言われる人の意見は興味深く、
参考になることが多いと思っています。
しかし、黙っておかしなことをやっている、
ちょっと変わった人は、何だか不気味ではあります。
たとえば「靖国神社は軍国主義とは関係ない」というなら、
説明して理解させる努力がなければならないのです。
教科書問題や靖国神社問題では、
デンマークでは最近は、
かなり中国寄りの見方で日本を見るようになりました。
中国発の中国に都合のよい情報は溢れていても、
日本発の情報は極端に少なくて誰も知らないようです。
おそらく欧州のほかの国でも事情は同じでしょう。

最近でも捕鯨の件で、日本が国際基準に逆らって、
「調査」とか言ってごまかして
鯨を殺しているような記事がありました。
自分が間違っていないというなら、
相当な覚悟をして、時間とお金をかけて予算を組んで、
説明をしておく必要があります。
言わないでいると、
だんだん”奇人変人国”と見られるようになる・・・
というか、もう見られているようです。
個人でも同じです。
自分の意見をまとめておいて、
外国の人に話すことが出来る用意があった方が良いと思います。

国には矛盾する色々な顔があります。
変人国とはいえ、PEWGLOBAL.ORGの最近のアンケートでは、
今のところ日本は西側諸国には割合好かれているようですが。


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2005年7月18日(月)

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