第208回
在デンマーク大使の反論など
テレビで日本のデンマーク大使は大変厳しく追及されました。
実は、インタビューした人はユダヤ人だったので、
戦争を遂行した人を祭る件では、
他人事と思えなかったのでしょう。
ヨーロッパではユダヤ人の墓が壊され、ネオナチの台頭があります。
死んだら仏になったり、地獄へ行ったりではなくて、
ユダヤ教の場合は死んだらとりあえず“お終い”だということです。
この世で社会正義の裁きがなければ、
犯罪者は過去も未来も
“犯罪のやり得?”みたいなことになるのだそうです。
だから“誰がどういう罪を犯したか”ということも、
本人が死んだからといって、
うやむやに出来ない几帳面さがあるようです。
そういう国民性もあって、
イスラエルの記録は過去の捏造や間違いが少なくて、
資料としての価値が高いそうです。
テレビインタビューから数日後に、
日本大使の新聞の社説への反論が載りました。
「“謝らない”とありましたが、日本はきちんと謝っています」
「新聞では“日本政府が決定して、歴史を曲げた”ように読めます。
しかし、多くの国がやっているのと違って、
日本の教科書は一種類の見解に統一されているのではないのです。
政府は、教科書が科学的な正しさを基にして編集されているように
指導しています」
「南京の虐殺についても26の教科書には載っているし
“日本が過去に目をつぶっている”というのは重大な間違いです」
「読者には以上の事実を基にして判断をしていただきたいものです」
という文章でした。
デンマークのマスメディアから読み取れることは
「侵略戦争を先導したと見られている人にお参りしておいて、
世界の国々に“理解して”と、言うのは通らない」
とうことでしょうか。
それとは別に、紛争する国が、双方いつまでも妥協できないと、
現代の中東やその他の地方のように、終わりがありません。
もうひとつ私の知った範囲で要約すれば
「日本は“大変申し訳ありませんでした。
私達のしたことは次の世代に伝えて、繰り返さないようにします”
といった内容で謝れば、被害者側は妥協が可能なはずだ」
という意見が、今のところデンマークの記事では大勢のようです。
確かに意識しないと、加害者は忘れ易いです。
そして双方ともに、自分の都合に合わせて、
過去を変えたい誘惑に負けるのはいけませんです。
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