第207回
中国の反日・デンマークでは
デンマークのマスコミの報告をしてみます。
デンマークでは、テレビのニュースや新聞で、
何度も中国の反日デモの映像が登場しました。
初めは
「日本の教科書は戦争を隠し、これから全国の生徒がそれを使う。
それに対して、中国の国民が怒った」
と、いった印象のニュースでした。
夜に流れたテレビ番組のエクスパートの解説では
「これは資源のからんだ領土を含む、純粋に政治的な問題です」
「中国は日本から屈辱を受けた歴史が我慢できないのでしょう」
と醒めていましたが、その翌日の新聞の社説では
「第2次世界大戦とその前に、
中国を侵略したことを教科書から消したことで、
緊張が高まっています。」
「ドイツは、より人間的な社会を作るために、
過去を知ることがどんなに大切か理解し、今も研究しています」
「日本はドイツを見習うべきです。
日本は近代的な民主主義の国なのだから、
道徳的公正さが望まれます」
となっていました。
このマスコミの動きで、
数日後に、在デンマーク日本大使がテレビに出てきて、
英語でインタビューを受けました。
日本軍が行進したりする映画の後で
「謝るのがそんなに難しいのですか?」と記者が尋ねます。
すると大使は「日本は謝っています」と言って、
メモを取り出して、村山総理の言葉を読み始めました。
「そして多額のお金を投じて、
東南アジアの平和と発展のために尽くしてきました」
と、答えました。
次の質問は
「なぜ首相は戦争犯罪人の祭られている、
靖国神社に参拝するのか?」
というもので
「靖国神社にはそのほかに大勢の人達が祭られているからです」
と答えると
「ドイツの首相がヒットラーの墓にお参りしたら、
全世界は許さない!」
と、記者は、つい、テーブルをたたくような仕草になって、
大使に迫りました。
デンマークのテレビインタビューとしては異例な激しさです。
最後に
「では、なぜ中国はあんなに怒っていると思いますか?」
という質問には、大使は困惑した顔で答えました。
「中国人は知らされてないのだと思います。分りません」
そして
「日本はすでに謝った。中国を始めアジアを経済で助けている」
「首相を始め、日本人はヒットラーに相当する人にお参りする」
「それでも日本は、なぜ中国が怒っているのか分らない」
という印象を残して、インタビューは終りました。
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