第107回
銀行と不良債権
デンマークの家庭では
コンピューターの普及率が非常に高いのです。
そこで一般家庭でも銀行口座の管理は、
インターネットを使うのが主流になってきました。
銀行に行く手間が省けて、
手の空いた時にインターネットに繋ぐだけで済むので
時間が有効に使えます。
自動引き卸しなどもネットだけで指示できます。
インターネットに入れば海外にいても口座の状況もすぐ見れるし、
請求書の支払いも海外からすぐに出来きて便利です。
個人の場合インターネット・バンキングは加入料も要らず、
現金の出し入れも無料です。
送金の時だけは一回に18円手数料が引かれます。
では銀行はどこで利益を出しているかというと、
貸し出しと借り入れの利子の差が日本より2%程大きいのです。
例えば日本で貸借の差が2%ならデンマークは4%なのです。
それでは「銀行は楽勝ではないか」と言うわけですが、
今のところその通りの楽勝みたいです。
近年に不良債権が発生した時期が有りましたが、
たいへん安易に貸付を増やして
個人倒産や法人倒産をたくさん出しました。
潰れた会社の持主も結構復活していますし、
個人で倒産してもまあまあの最低の保障はあるので、
そんなに深刻ではありません。
銀行は不良債権騒ぎを数年で乗り切って大きく黒字に戻しました。
そしてデンマーク最大の銀行、
2003年の不良債権がほとんどゼロという信じ難い記録を残しました。
銀行は一等地にあるのは勿論ですが、数自体も多いのです。
一等地にあって数も多い店というのは
いつも利益率の良い商売です。
私が初めて来た頃は“どうしてこんなに沢山あるんだ”
と思うぐらい電気屋がありました。
大型の電気製品を売って半分の儲けが有った時代です。
日本で電気製品を買って
デンマークに持ってくる甲斐がありました。
しかし、その頃から比べると電気器具の利益率は、
お話にならないくらいに大きく下がりました。
安売りの大規模店が立て続けに出来て、
スーパーもメーカー品の電化製品を置くようになりました。
今は電気屋に替わって眼鏡屋が丸儲けの時代に入って長く、
その他では新しいメーカー品の婦人服などが盛っています。
|