第1257回
中国水務(前半)
中国水務(コード:00855) には
「小泉鉄造といく香港、深セン、中国企業ツアー」で伺っており、
中国水務とのミーティングは6月18日の11:00から開催しています。
・企業概要
中国本土の一部都市で給水・汚水処理事業を展開する民営企業。
前身は計算機メーカーの易達興業電子(集団)有限公司。
大株主でもある段伝良・主席は
十数年にわたって中国政府の水利部に在籍した経験があり、
複数の企業の重役を兼任している。
2003年1月から同社に加わり、業態転換に着手。
給水・汚水処理事業に進出した。
買収統合を繰り返し、20都市以上に事業基盤を拡大。
現在はコア事業に集中するため、非中核事業の売却を進めている。
2007年末に政府系の中国水務投資公司に資本参加。
政府の環境保護政策が追い風となっている。
・企業動向
2010年1月
・水道事業の市場規模は15年までに1兆元へ
中国の水道事業の市場規模は
2015年までに1兆元に拡大するとの見通しで、
水道事業関連サイトは最新リポートの中で、
中国の主要36都市の上水道料金は
2002〜2009年に年平均4.7%のペースで上昇したことを発表した。
一方、リポートによれば
下水処理料金の同時期の年平均上昇率は11.9%と、
水道を上回る高い水準で引き上げられてきた。
ただ、中国各都市の下水事業は原価割れ状況が続いており、
この先も料金引き上げ基調が継続するとの見通しである。
2010年4月
・2010年3月本決算は大幅増益の見通し
中国水務集団は2010年3月本決算が
大幅増益になるとの見通しを発表した。
中核事業の安定成長に加え、
証券や転換社債を含む金融資産の評価損益が黒字化したことが
増益の主因。
2010年5月
・水力発電事業の権益を3.4億元で売却
中国水務集団は3億4000万元で水力発電事業の権益を売却。
売却益は約1億香港ドルとなる見通しで、
同社は売却について投資利益を得る好機と判断したためとし、
経営資源を水道事業に集約するとしている。
2010年7月
・廃水処理会社を2.4億元で売却
中国水務集団は中国水務投資有限公司への出資を引き揚げると発表。
買い手の江陰市長江鋼管有限公司に、
中国水務投資の株式13.23%に当たる全保有株を
2億3600万元(約2億7000万香港ドル)で売却する。
売却益は1億2800万香港ドルで、
売却で得た資金は、水道事業や運転資金に充てていく。
中国水務投資は廃水処理や塩水の淡水化、給水などの事業を手掛け、
中国水務集団は中国水務投資の売却を通じて
水道事業に経営資源を集中させていく。
|