第1252回
中国ガス(後半)
最近の動向から
・2010年3月
向こう3年で30件の都市ガス事業を買収へ
中国ガスは向こう3年にわたり毎年10件のペースで
都市ガス事業を買収する。
対象案件の要件として、投資利回り15%以上、安定供給源の確保、
関連インフラの完備などを挙げている。
また、ガス販売量について、
2009〜10年度上期(2009年4〜9月)は
通期目標の半分に当たる16億立方メートルだったと発表。
例年、下期の販売量は上期の2倍に増加するため、
通年での大幅増を見込む。
・2010年6月
天然ガス価格の引き上げから
国家発展改革委員会が6月1日付で天然ガス価格を引き上げた。
国産天然ガスの出荷価格(1000立方メートル当たり)は
925元から1,155元に引き上げられ、引き上げ幅は25%に達した。
天然ガス価格の引き上げは約2年半ぶり。
引き上げによりペトロチャイナ(コード:00857)と
シノペック(コード:00386)の2010年通期純利益が
それぞれ7%、3%の幅で増加すると予想される。
・中国ガスの2010年3月本決算から
(単位は香港ドル)
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2010年3月 |
前年比 |
売上高 |
102億1200万 |
61.5%増 |
純利益 |
8億7600万 |
744.6% |
EPS |
0.2619 |
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期末配当 |
0.017 |
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中国ガスの2010年3月本決算では売上高が前年比で61.5%増、
純利益が744.6%増と増収増益となっていました。
特に純利益は前年比で8.4倍と伸びています。
2009年3月本決算では金利スワップ取引で多額の損失が発生し、
デリバティブ評価損3億6600万香港ドルを計上したことで、
純利益が減少していました。
今年はそれがありませんので
数字の上では純利益が大きく伸びています。
しばらくはガス市場は大きく伸びていきますが、
市場が安定してくれば成長率も落ちていきます。
どこまで成長していけるかは今後を見ていく必要があります。
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