第1251回
中国ガス(前半)
中国ガス(コード:00384) には
「小泉鉄造といく香港、深セン、中国企業ツアー」で
6月17日の14時に伺い、中国ガスとのミーティングを行っています。
中国ガスの企業概要
・中国の都市ガス事業者
国務院海峡経済科技合作中心が出資するため、
「国有資本を背景に持つ私営企業」の位置付け。
天然ガスを供給する都市ガス管網の整備をし、
住宅や企業からガス管の接続料や使用料を徴収。
CNG(圧縮天然ガス)車向けのガススタンドも経営する。
液化石油ガス(LPG)事業も展開。
中国東南部の沿海地域にLNGの受入基地を設けている。
2004年にシノペック(コード:00386)、が資本参加したほか、
インドのGAILやオマーンのOOCなど国営ガス会社も出資している。
【企業動向】
・2009年3月本決算
金利スワップ取引で多額の損失が発生し、
デリバティブ評価損3億6600万香港ドルを計上したことで
増収減益となっていた。
本業は好調で、同期は新たに福建省、遼寧省など
42都市で都市ガス事業経営権を獲得したほか、
42万世帯へのガス管敷設を完了。
供給世帯数は370万世帯に達し、前年同期から66%増加している。
都市ガス販売量は104%増の21億立方米。
前年に買収したLPG事業の販売量は49万5000トンとなった。
・2009年9月中間
2009年9月中間での売上構成比は都市ガス販売事業40.1%、
LPG販売事業44.4%、ガス管接続事業14.2%、その他1.3%。
利益面ではLPG販売事業がセグメント利益で赤字となっており、
LNG事業が利益の大部分を占める。
ただ、LPG事業も今後業界再編などの進展によって
収益源となる見通し。
・成長が期待される中国のLNG市場
天然ガス産業は中国において
大きな成長ポテンシャルを持っている。
これまで中国は国内貯蔵量の制約で、
天然ガスの供給が需要の拡大に追いつかず、
都市部における天然ガスの普及率が低水準に止まっていた。
だが、2010年から中国の西部と東部を結ぶ
天然ガス輸送パイプラインプロジェクトの完成とともに、
中央アジアから大量に天然ガスを輸入する時代に入ってくる。
また、沿海地域のLNGプロジェクトも
2010年ごろから稼動を始める予定であり、
供給面のボトルネックが大きく解消される。
天然ガスの消費量も2009年の887億立方メートルから
2010年に1000億立方メートル以上、
2015年には2000億立方メートルを超えると予想される。
このような環境の中で、
同社は主要な天然ガス国内生産業者であるシノペックや
ペトロチャイナと良好な業務関係を築いており、
LNG販売量が過去3年間で年平均100%超のペースで拡大してきた。
今後は成長速度が若干減速すると考えられるものの、
販売量は年平均40%前後の伸びが期待できる。
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