第1222回
銀行の本決算から
中国工商銀行の香港子会社である
中国工商銀行アジア(コード:00349)の2009年12月本決算では
経常収益が前年比で11.7%増ながら純利益が160.7%増と
市場予想を大幅に上回っていました。
同行は資産の質の向上に加え、純金利収入や手数料収入の増加が
収益力の一段の改善につながると見られます。
また、親会社の強い後ろ盾が支援材料になります。
中国最大の商業銀行である中国工商銀行(コード:01398)の
2009年12月本決算では経常収益が
前年比で0.3%減ながら
純利益が16.1%増と減収増益となっていました。
中国工商銀行はA株転換社債の発行により
最大で250億元を調達する計画で、
また、追加でH株を発行する可能性があります。
2009年末の自己資本比率は12.36%となっており、
同行の姜会長は決算説明会で今回の資金調達が終われば、
向こう3年は増資の必要がなくなると述べています。
また、同行は不動産関連の融資に慎重であり、
2009年の不動産企業に対する貸し出しは全体の7.6%でした。
個人向け住宅ローンの比率は15.3%で、
両分野の不良債権比率はともに低下しています。
中国工商銀行の2009年本決算での期末配当では0.170元出します。
配当利回りでも3%程度が見込めますので、
こちらでは投資妙味があります。
また、4大国有商業銀行の一角である
中国銀行(コード:03988)の2009年12月本決算では
経常収益が前年比で1.6%増、純利益が26.0%増と
増収増益となっていました。
同社は内部留保を増やして資本を増強する方向として、
A株転換社債を発行して最大400億元を調達した後に
A株市場で増資を実施せず、
新株発行をH株に限定するとしています。
同社の2009年本決算での配当利回りでは3%後半がが見込めます。
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