第1039回
リハビリ
約2週間後の6月1日に
川口工業病院から今度は車椅子が乗るタクシーで固定して
戸田中央リハビリ病院へ転医しました。
この病院では元野球選手の長嶋茂雄さんも
リハビリを行っていたとのことでした。
午前中に入院し午後からリハビリ開始です。
私自身は左脳内出血でしたので右片麻痺が残りました。
このときの症状ではベッドの上で体の方向をかえる事も一苦労で、
まずはベッドから車椅子に乗り移ることからの練習です。
乗り移りに失敗すれば
1人ではベッドに戻れないことがわかっていましたので、
まずは介助の手をかりながら乗り移る練習です。
数日後には何とか1人で乗り移れるようになりましたが
油断大敵です。
私が行ったリハビリは40分のメニューが1日3コースありました。
理学療法が40分
*理学療法士は主に体に障害を持った人の
運動機能を最大限に回復させ、
歩行等の基本的な動作に対する訓練を行います。
作業療法が40分
*作業療法士は、
主に身体または精神に障害を持った人に対して、
社会適応能力の改善を図るため、
手の機能回復や応用的動作能力を高めたり、
作業等も用いた訓練を行います。
言語聴覚が40分
*声を発する、会話する、聞くことに障害のある人への訓練。
最初は車椅子から
膝くらいある少し高いマットの上に移動するのでさえ一苦労でした。
また、私自身後遺症で感じたのは
頭の中で物がわかっていたとしても言葉で出てこない、
または忘れてしまっているということです。
家族の名前は言えても家の電話番号は思い出せません。
また、声を出して話をしようとしても
ゆっくりでないと話せません。
物忘れは1ヶ月程度でかなり良くなってきました。
声を出すほうも私自身は少しずつ良くなってきました。
入院している周りの人で言語聴覚が大変な人では
話をすることができない人、
今入院している病院の名前、
今日の日にちが全く言えない人もいました。
私が入院している間は
その人の症状は良くなっていませんでしたので、
これからのリハビリに期待といったところですが、
その人の気持ちはよく分かりました。
4人部屋に入院していたのですが、
患者の方で40代前半の男性は脳梗塞で倒れ、
一時退院後家に戻ったところ再度脳梗塞で倒れ、
こちらのリハビリで体調を整えたあと
脳内の手術をするという人がいました。
当人からは不安で先が見えないので怖いという相談を受けましたが、
まずは何でもいいほうに受けとめて
考えていったらいいんじゃあないかとしかいえませんでした。
本人はそうだね、考えても仕方がないものは仕方がないよね、
とは言っていましたが・・・。
精神的にはきついでしょうが、周りの人には何もできません。
独身の方で親が2日に1回来ていました。
私が退院する前に
手術をするために近くの病院に移っていきましたが、
性格が明るくこちらでは助かっていました。
また、60代に入ったばかりの男性が入院してきましたが、
こちらの方は片足が壊疽で足くるぶしからありませんでした。
今回いいほうの反対が脳梗塞でやられたために、
自由になるのは残った片手だけです。
そのために一人で寝返りをうつことができません。
ですので、夜寝たあとでも
循環の人が寝ている姿勢を何回かかえます。
ゆっくりと寝ていることができません。
当人も大変ですが、身の回りを見る人も大変です。
本人の希望はリハビリで寝返りをうてるようになることです。
本人も楽になりますが、家族の負担もかなり減ります。
また、退院後に備えて自宅を売却して、
住みやすいマンションを見つけて購入していました。
奥さんと子供が二人見舞いに来ていましたが、
助け合っていけそうな家族に見えましたので
他人事ながらほっとします。
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