第1016回
墨龍石油機械の将来性
山東墨龍石油機械(コード:0568)の2006年12月本決算は
第1007回の記事でも書いていますが、
売上高が前年比で30.59%増、純利益が63.57%増と伸びていました。
山東墨龍石油機はオイルパイプ、オイル吸込管、採油ポンプのほか
原油採掘機械部品の製造と販売を行っており、
主要取引先は
中国国内3大石油の天然ガス開発会社とその他となっており、
中国国内ではシノペック(コード:0386)、
ペトロチャイナ(コード:0857)、
CNOOC(コード:0883)に石油採掘機械を販売しています。
中国は1999年以降、8.6%の伸び率で原油を消費してきたために、
2005年には中国で確認埋蔵量の増加に対し
生産の増加量が並んできました。
中国が成長していくためには
原油需要に答えるだけの原油を確保していくことがまず先決です。
油田発掘を行うときに必要なのが山東墨龍石油機の製品です。
油性菅、オイル吸込管、ケーシング、
採油ポンプといった製品が必要になります。
山東墨龍石油機は2006年時点で
国内販売の売上構成シェアは61%となっていました。
海外への輸出では2003年には15%だった比率が
2006年は39%と伸びています。
石油採掘機械メーカーでは
日本の住友金属工業が世界で圧倒的シェアを占めています。
住友金属工業は継ぎ目のないシームレスパイプを製造しており、
腐食が起こりにくくどんなに厳しい環境でも対応ができます。
山東墨龍石油機もシームレスパイプを製造するようになりましたが、
市場では住友金属工業のほうが高技術商品として売れています。
山東墨龍石油機の製品は大学や研究機関と研究開発を行い
高い技術力を誇っています。
国際的なスタンダードの米国基準に合格しています。
価格では山東墨龍石油機のほうが価格が安い分と、
今後は日本の高技術商品に
近づいていくように設計されていきますので
同社の製品の売上げも伸びていくでしょう。
山東墨龍石油機は
中国のコスト安と製品のグレードを上げていくことで
同業他社より有利に市場を拡大していけます。
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