第1008回
中海石油化学の2006年12月本決算
大手窒素肥料メーカーである
中海石油化学(コード:3983)の2006年本決算では
売上高が前年比で46.2%増、純利益が74.4%増と
大きく伸びています。
・2006年本決算
売上高 --- 34億6600万元 前年比 46.2%増
純利益 --- 16億4600万元 前年比 74.4%増
EPS --- 0.484元
期末配当 --- 0.015元
2006年3月に
内モンゴルの大手尿素・メタノールメーカー株式90%を買収。
9月には子会社の中海石油建滔化工を通じ
海南省海南市でメタノール工場の試運転を開始したことで
収益は伸びました。
中海石油化学は国内の20省・自治区・直轄市に
販売網を拡大しています。
中海石油化学は2006年9月に上場した企業で、
新規株式公開(IPO)の公募倍率でも約349倍となり
人気が高かった企業です。
公開価格の1.9香港ドルに対し初値は2.3香港ドルとなり
21.1%上回っていました。
中国政府の農業支援策でも、
政府が化学肥料や軽油など原材料に対し
農民向けの補てん金を増額していますので
化学肥料需要の伸びにもつながっていきます。
同社にとって恩恵を受ける政策です。
2006年12月には60%子会社のメタノール工場で
中海石油建滔化工が正式に稼働しています。
年産能力は60万トンで、
同社はメタノール製品を2006年10月末までに
ベトナムへ2900トン以上輸出していました。
ただ、株価に対しては
2007年の業績成長見通しに対して
好材料はすでに織り込み済みとの見方もあります。
メタノール価格に対して一部地域では
生産過剰および供給不足がみられますが、
需給バランスは取れていることと、
政府がメタノール使用を推奨しているために
価格でも年内には底入れしていくでしょう。
ですが、生産過剰がでてきたときには
同社の株価も下げていく可能性も大きいでしょう。
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