第977回
コフコ・インターナショナルから
中国政府系食品大手の傘下企業である
コフコ・インターナショナルが
2月15日に全額出資子会社の
中国糧油控股有限公司(チャイナ・アグリ・インダストリーズ)の
株式を同社の保有株の株主に対して
1株につき中国糧油控股有限公司の株式1株を交付しましたが、
中国糧油控股の新規株式公開(IPO)についてはまだ未発表でした。
コフコは中国糧油控股の新規株式公開(IPO)の予定について
発表しました。
中国糧油控股は3月21日に香港市場に上場予定で、
仮条件(価格レンジ)が3.10〜3.72香港ドルに確定しました。
2006年予想PERでは17.4〜20.8倍になる見通しです。
なお、2006年1〜9月期の純利益は
約5億1000万香港ドルとなっており、
2006年通期では前年比で2ケタ増の
6億2200万香港ドル以上になる見込みとなっています。
中国糧油控股は主に
トウモロコシを原料としたバイオ燃料事業を手がけていますが、
今後2年の間に計61億香港ドルを投資し、
現時点のバイオ燃料の年産能力を18万トンから
2008年には180万トン以上まで拡大させていく予定です。
コフコの権利落ち前日の2月14日の終値は9.79香港ドルでした。
15日にはコフコが中国糧油控股の株を
1対1で株式を交付しましたので
株価は権利落ち分の30%以上下げて6.180香港ドルで引けました。
株価は1日で3.61香港ドル下げていました。
中国糧油控股3.10〜3.72香港ドルで上場するのでしたなら、
ちょうど下げた分が中国糧油控股が上場する際の価格になります。
コフコは中国糧油控股をスピンオフ上場させるために
先に既存株主に対し、
保有株1株につき中国糧油控股の
株式1株の特別配当を実施する方法を取りましたので、
一般的な分割と違いなじみがないために
投資家にはわかりづらかったと思います。
ですが、このような分割の方法があり、株数でも増やしていける、
ということができるのが中国株式投資です。
中国の食料事業は今後大きく変化していきます。
かつて日本でも食料事業が変わってきたことと同じことが
中国でもおきていっていると見ていいでしょう。
|