第974回
匯源果汁
中国で果汁飲料最大手の匯源果汁(コード:1886)が
2月23日に香港メインボードに新規上場しました。
匯源果汁は果汁飲料では最大手で、
販売量、売上高ともに中国最大の果汁飲料メーカーで
生産拠点は中国本土に11カ所あり、
220種類の飲料製品を生産しています。
2006年9月末時点の年産能力は146万トンでした。
匯源果汁は「匯源」ブランドで
「匯源」フルーツジュースや野菜ジュースなど販売しており
中国での果汁100%ジュースの市場シェアは42%、
果肉飲料の市場シェアは40%となっています。
「匯源」ブランドは中国政府から
「中国有名ブランド」に認定されており中国での販売のほか、
フィリピン、シンガポール、タイなど
東南アジアのほか米国にも輸出しています。
主要営業エリアは 中国が90%、その他が10%となっています。
今後は華南および華東で増産とシェア拡大を図っていきます。
2007年には華東に生産工場を1カ所建設する予定です。
匯源果汁の朱新礼・董事長は現時点で
中国本土A株市場に上場する計画はないとして、
2007年度の売上高に関しては
大幅に増加する見通しと発表しました。
2005年12月本決算では原料価格の上昇で
粗利益率はやや低下しましたが、
主力の果汁入り飲料の販売量が前年比で51%増と
需要拡大が続いたことと、
政府補助金の増加で営業外収入が増加したことで
純利益が約6倍となっていました。
匯源果汁の公開価格の6香港ドルに対し
2月23日香港メインボードに上場した
同社の初値は9香港ドルで始まり50%高い株価で
終値では9.980香港ドルとなり
公開価格に対して66.3%値上がりして引けていました。
匯源果汁は2006年通期の予想EPSでは
0.128〜0.131元との試算を発表しています。
23日の終値の9.980香港ドルで計算しますと
PERは76〜78倍と低い数字になります。
株価に対して割高感があります。
ただし、2007年度の売上高に関しては
大幅に増加する見通しだということと、
中国では食生活が進むとともに
高級食材が売れるようになってきています。
中国蒙牛乳業(コード:2319)は
安全な乳製品ということと販促が効果を上げて
上場時の株価は4香港ドル強でしたが、
現在は24香港ドル程度まで上げています。
今後この業種は成長していくことが考えられます。
また、同業種ではアンドレ・ジュ−ス(コード:8259)が
2003年4月に香港市場に上場しています。
アンドレ・ジュ−スの2005年12月本決算に対して
23日のPERは27.05倍でした。
今後の業績が伸びていくとしても
匯源果汁のPERが76〜78倍というのは高すぎる可能性があります。
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