第973回
株価の変動
株価が変動するときには一つのことだけで動くのではなくて
多くの要素が重なって上がったり下がったりします。
企業業績が伸びたために株価も上げていくというのが理想ですが、
ほかの事でも起こります。
2000年には中国株ブームが起きて
中国の投資家や海外からの投資家が買いに入り
株価指数でも大きく上げました。
その後、株価指数が下げたために
投資家は株式市場から離れていっています。
代わって中国では株式投資より
不動産投資のほうが儲かるということで
国民は不動産への投機買いが入り
株式市場への参加者は減ってきました。
当然株価指数も下げてきています。
ハンセン指数でも2000年には1万8000ポイントだったものが
2003年には8300ポイント台まで下げてきていました。
実に二分の一まで下げています。
株式市場への投資家の参加者が減っている時は
株価も下がってきていますので、
一株利益に対してPERでも高くなっていきます。
単純に数字だけ見れば、
100円していた株が半値の50円以下になったようなものです。
株価が100円している企業の一株利益が10円ならばPERは10倍です。
50円になったときにはPERは5倍まで上がっていきます。
一株利益に対して配当金が4円出していたとき株価が100円ならば
配当利回りは4%です。
50円ならば8%にまで上がっていきます。
同じ企業の株でも配当金に対しての魅力が大きく上昇します。
本来はこのようなときにこそ
積極的に購入していかなければいけないのですが、
なかなかこのようなときには買いが入ってきません。
ここからもっと下げるのではないかという不安感が強いからですが、
収益が伸びている企業でしたら
ここは積極的に攻めていくべきところです。
その後株式式市場に投資家が戻ってきたことと、
海外からの投資資金が入ってきたことで
ハンセン指数は2003年4月を底に上昇してきました。
現在のハンセン指数は2万ポイント強ですから、
指数自体約2.5倍上げてきています。
中国は長期的に成長していくという確信があれば
株価でも下げたときは積極的に投資を検討できます。
逆に成長が見込めない、投資リスクが大きすぎるような国へは
いくら株価指数が上がっていても、
また安く魅力的であっても
投資するのには注意が必要です。
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