第972回
キャップインフォ
北京を拠点にeコマース・サービスなど、
ネットワークソリューション・プロバイダーである
キャップインフォ(首都信息発展、コード:8157)の株価が
最近急騰しています。
2月7日の株価は0.160香港ドル前後でしたが、
売買株数が増えるにしたがって株価は値上がりしてきました。
キャップインフォは2006年12月まで
1日の出来高は100万株いくかどうかでした。
2007年1月に入っても200万株程度の日が多く続きましたが、
2月7日以降は700万株程度まで膨らみ、
2月15日には1000万株の商いとなり、
16日には1500万株まで膨らんでいます。
22日の出来高は1000万株程度ですから減ってきてはいますが、
株価では14.06%上げて0.365香港ドルまで上げています。
約2週間のあいだに株価は2倍以上値上がりました。
では、キャップインフォの
業績が大きく回復してきているのかといえば
今後の決算発表を見ないといけませんが、
収益でも大きく回復してきてはいません。
・キャップインフォの2006年1〜9月期決算から
売上高 --- 1億2900万元 前年同期比 16.9%減
純利益 --- 330万元 前年同期比 28.9%減
EPS --- 0.0012元
キャップインフォは2006年1月に赤字が続いている
電子商取引(Eコマース)決済サービスの関連資産を売却し
約1625万元の売却益を計上しましたので
2006年6月中間決算では
売上高が前年同期比で22.0%減なのに対して
純利益は86.9%増となっていました。
1〜9月期決算でもEPS(一株利益)は0.0012元ですから、
とてもではないですが
一株利益が低すぎて投資できる企業には入りません。
キャップインフォの企業も今回の株価の上昇については、
その原因となるような材料が見当たらないと説明しており、
開示すべき買収、売却に関する情報もないと発表しています。
今回キャップインフォの株価は
投機資金が入って上がってきています。
キャップインフォは2008年夏に開催される
北京五輪の公式サイト運営を行うために
起業した意味合いが強い銘柄です。
キャップインフォに対しては業績云々よりも、
北京オリンピック銘柄ということで
今後も何度か蒸し返されて投機資金が入り、
株価でも上げていく可能性が大きいでしょう。
株価が大きく上がったり下がったりするのは
業績だけではなくて、
材料が出たときには株価が大きく変動することがあり
投機資金が入ったときに
株価は大きく変化していくということが起こります。
|