第964回
GDPと豊かさ
日本で土地の利権に関しては
購入した個人のものとなっていますが、
中国では違います。
土地は国のもので、土地のうわものだけに対して
国から借りて建てているだけです。
そのために今まで住んでいた住人が
国の方針で他の地域に移っていくことを発表しただけで
それを受け入れるか、
または個人で住むところを捜して移住するしか方法はありません。
そのような方式で国の土地を整備していくのに対して
利権を持っている人が
今まで住んでいた住民に対して不当に安く支払いを行って
移住させるような方法を取ってきたところもあります。
そのような地域では住民の反発をかい
正当な対価を保証するように
中国政府に申し立てをしてきています。
もし保証できない内容でしたら
国民はストライキを行っていくようになってきています。
1990年前までは
ストライキ自体がなかなかできなかった国が中国でしたが、
文句を言えるような国に変化してきています。
中国も世界の常識に近づいてきていますので
悪いことではありません。
では日本はどうかといえば、
一人当たりのGDP(国内総生産)で計算したなら
日本は確かに豊かな国に入っています。
2005年の一人当たりの名目GDPは389万8000円となり、
1人あたりの国民総所得(GNI)の多い国では9位に入っています。
ですが、道路ひとつをとって見てもこれが先進国である、と
自慢できる状況とはいえません。
実情は道幅は狭く
人と車が一緒に通れないような場所が多くあります。
また、開かずの踏み切りといわれるような
電車が走っていて
1時間の間に数分しか開かないような踏切がある国が
果たして先進国だといえるのでしょうか。
このような国になることが先進国になることだといわれれば、
先進国にならなくとも豊かに暮らしていける国であれば
十分いいのではないかという気持ちにもなります。
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