第963回
土地増値税と不動産企業
土地増値税に対して
実際に企業からの影響はどうかといえば
上海陸家嘴金融貿易区開発(コード:900932)は
上海市税務当局の規定に基いて
不動産譲渡収入の1%の割合で土地増値税を前払いしています。
しかし同社は
利益は主に開発用地使用権の譲渡による収益が大きいために
土地増値税の清算の実施で税負担が増加することで
業績に影響する可能性があるという内容を発表しました。
では他の不動産企業はどうかといえば、
北京北辰実業(コード:0588)は
2006年の利益計画と今後の経営計画への影響はなく、
販売時点で土地増値税を仮払いしているほか、
コスト面でも税についても盛り込んでいる。
また、広州富力地産(コード:2777)、
江蘇新城房産(コード:900950)、
万科企業(コード:200002)などは
業績への影響は比較的少ないと発表しています。
上海九龍山(コード:900955)などは
土地増値税の従来規定をより明確にしたもので、
2006年本決算への影響はない。
招商局地産控股(コード:200024)も
物件販売完了時にあらかじめ土地増値税を納付していたため
2006年本決算の利益計画への影響はないと発表しています。
土地増値税に対して影響がでてくるのは
上海陸家嘴金融貿易区開発が
業績に影響する可能性があるとの見通しを発表したものの、
ほかの企業は影響は限定的か、またはないと発表しています。
1月19日には土地増値税徴収によって
不動産企業は長期的に受ける影響は軽微だとして
買いが入り上げている銘柄が目立ちました。
中国政府は不動産に対しては
今後もマクロコントロール政策を行っていく可能性が強いですが、
大きな影響はでないでしょう。
不動産企業へ投資して利益を出すのであれば、
今回の土地増値税の徴収強化策で
不動産企業の株価が大きく下げていけば
安く購入できるチャンスになったでしょうが。
長期的には不動産企業の業績は大きく伸びていきます。
ただし、中国政府の上海陸家嘴金融貿易区開発に関しては
影響がどこまで出て行くのかを見守っていく必要があります。
中国でも政府主導で伸びていける企業ではなく、
積極的に投資を行っている不動産企業で
業績が伸ばせていける企業に対しては
積極的に投資を検討できます。
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