第959回
配当利回りと株価
2000年以前の中国株は
まだ海外の投資家に人気が薄かった分
株価も割安感がある時期が続きました。
株価が安いということは
一株利益に対して配当利回りも
その分高かった企業が多く目立ちました。
株価に対しての利回りでも5〜6%以上になる企業、
それ以上の利回りになる企業もありました。
第18回の記事でも触れていますが、
深センB株企業で広東電力(コード:200539)を
1998年の時に1.90香港ドルで購入しています。
中国の電力需要に供給が追いつかない状態が続いたために
株価でも上げていきましたが、原材料の石炭の価格高騰に伴ない
2004年、2005年は増収ながら減益となっています。
2006年に入り、
中国政府は2006年5月に電力企業の石炭価格に対して
石炭価格連動型の電力卸売価格制度を導入しています。
これにより石炭価格が上昇しても
ある程度収益がカバーされる体制になってきました。
株価は戻り歩調になってきており、
現在は6香港ドル前後で推移しています。
広東電力は2000年本決算で10割無償を出していますので
1998年に購入していれば株数でも2倍になっています。
もし同社株を売却するのでしたら
購入価格の1.90香港ドルに対して
12香港ドル分の株を売却できますので、
投資金額に対して約6倍になったことになります。
では、配当利回りから見たらどうかといえば、
2003年の配当金は0.250人民元でした。
その後の2004年、2005年の配当金は減収の影響を受けて
0.180人民元まで下げています。
投資した金額に対しての配当利回りでは
2000年本決算で10割無償を発行した分
株数でも2倍になっていますので
受け取った2003年の配当金は0.500人民元になり、
配当利回りでは26%程度です。
2004年、2005年の配当金は0.360人民元ですので
配当利回りも19%程度まで下げています。
下げてはいますが、
投資した金額に対して20%近い配当利回りというのは魅力です。
2000年の配当金は0.19人民元でしたが、
10割無償を発行した年の株に対しては配当金はつきませんので
受け取った配当金は0.19人民元となります。
また、1999年の配当金は0.30人民元で
2001年の配当金は0.44人民元、
2002年の配当金は0.46人民元でした。
1999年〜2005年の7年間の間に受け取った合計配当金は
2.61人民元(税込み)となります。
投資金額が1.90香港ドルでしたので
合計配当金の2.61人民元に対して約1.37倍となります。
この数字は投資した自己資金を回収した後、
約37%の利益が出たことと同じです。
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